対談 阿佐ヶ谷3349柴田修平とお客様
■ネットワークビジネスの成功者
柴:核心を聞きたいんですけど、年収2000万の人とそうでない人の差ってズバリどうなんですか?
早:私は運がよかったんじゃないかな。
柴:運!? そこですか……。今までの早川さんのお話しをきいてると……、確かに……。
早:運はうつるよ。
柴:ほお。
早:これはある成功した人から聞いたんだけど、運は口癖がうつるレベルでうつるって。例えば、私とつるんでる人って息継ぎのタイミングまで似てくるらしいんですよ。話し方が似てるってことは、思考回路が似てくるってことでしょ? 成功も考え方だから……。
柴:ひとついいですか?
早:どうぞ。
柴:失礼かもしれませんが、早川さんが紹介してくださったお客様、お友達? 早川さんと同じいい匂いというか……、香りというか……、がするんですよ。
早:そうなの?
柴:ええと、なんだろ……、普段はお客様にいい匂いとか言わないんですけど、変態と思われたくないんで(笑)
早:同じシャンプー使ってるからかな(笑)
柴:思考回路が似てくると全体的に似てくるんですかね。それが運や成功がうつるっていう……。
早:他にも成功する秘訣っていっぱいあるんですけど……。
柴:ほおほお、教えていただけますか?
早:そのレベルに応じてですけど、例えば30歳のときに必ず「ありがとう」っていうように決めたんです。ネットワークビジネスのすごいレベルの人がいてね。その人が要件が済んだあとに、私にありがとうって言ってくれたんですよ。
柴:はい。
早:全然お礼を言われるような要件じゃなかったのに……。小さなことに感謝できるってすごいな、ってそのとき思ったの。ありがとうって大切だなって。タクシーの運転手さんにも「ありがとう」、コンビニの店員さんにも「ありがとう」って言うようにしてます。
柴:確かに早川さんいつもいってくれますよね。大事なことですよね。うん。
早:あとはね、人生いろんなこと起きるでしょ。それを全部自分のせいだって考えるようにしていて……、絶対他人のせいにしない。
柴:それ、僕も本気で思います。
早:前を歩いてる人がいて……、
柴:はい。
早:教えてくれるんですよ。ありがたいというかなんていうか……。高速道路みたいになっててね。あとは走らせるだけっていうか……。だからそんなに難しくないと思います。
柴:逆にネットワークビジネスで成功できないのはどんなタイプの人ですか? ずっと成功しないまま、つまりピラミッドの底辺にいて辞めていく人もたくさんいるわけですよね?
早:「お金持ちになりたいのか」と「成功者になりたいのか」の違いじゃないかな。
柴:というと?
早:お金を稼ぐ手段はいくらでもあると思うんだけど、成功者になるには器を大きくするというか……、お金を稼ぎに走るとダメなんじゃないかな。「金脈を掘るんじゃなくて、人脈を掘れ!」これも若いときに成功している人から聞いたんですけどね。
柴:名言きました!
早:まあ、でもいろいろありましたよ。宗教にはまったりとか(笑)
柴:さらっと話しますね(笑) それもじっくりききたいんですが、お時間もなくなってきたので……、
早:あらあら、ごめん(笑)
柴:いえいえ、すみません(笑) 早川さんに率直に聞きたいんですけど、ネットワークビジネスについて否定的な意見もあるじゃないですか? ネズミ講だとかマルチ商法だとか……。ええと、その……、どう思いますか?
早:そういうことを言う人に対してってこと?
柴:そうです……、ね。そうです、はい。
早:私もそう思ってたから「そうだよね」って思うかな。
柴:どうして世の中の評判よくないんですかね?
早:世の中の商売というのは、よいイメージを広げるためにお金を使っているから人々の中によい形が作られるわけなのね。ネットワークビジネスはそれをやってないんですよ。だから噂に対する誤解を解けばいいだけで……。要は噂じゃん? 私にとってはすごく簡単なことなの。
柴:なるほど……。
早:※13 昔マクドナルドの噂ってあったでしょ?
柴:なんでしたっけ? ミミズの肉使ってる、とか?
早:そうそう! 私の世代だとネコの肉だったんだけど(笑) 高校生のとき、友達が「マックの冷蔵庫にネコの首が入ってたんだって!」と騒いでて。私冷めた高校生だったから「例えネコの肉使ってても、冷蔵庫に首は入れないでしょ」って(笑)噂ってそういうものでしょ? 
柴:年代によって変わってしまうほど信憑性もない……。
早:新しく文化になって定着するものって必ず叩かれるんだって。ネットワークビジネスもみんなよく分かってないから叩くだけ。
柴:無知が故に叩く……、的な?
早:うん……。マックじゃないけどそれは裏返しで、本当はみんなに受けるっていうか……。チャンスじゃん、と。
柴:それが秘訣……、と。
早:あとはね、私、めったに感情的にならないんですよ。沸点が高いというか。感情的になったときの判断って間違ってることが多いでしょ。
柴:少しも感情的にならないんですか?
早:駅の改札で前の人が止まったときぐらい(笑)
柴:わかる! ムカつきますね、あれ(笑)
早:昔は正義感が強くて、いろんなことに怒っていたんだけど、もうあまりないかな。
柴:居酒屋とかいけば、感情的に愚痴ったり、怒ったりしてますよ、みんな。
早:でもね、ネガティブなことを思うことは自然なことだから、そういうときは紙に書くようにしてます。そうすると「ああ、わたしってこんな意地悪なやつなんだ」って客観視できる。そうすればすっきりするしね。
柴:今も書きますか?
早:書きますね。
柴:改札のことも?
早:それはそんなに引きずらない(笑)
■夢
柴:最後にお仕事での夢というか……。
早:厳密にいうと仕事はしてないんですよ。37歳のときに作った基盤で食べてるので、本当に自由で……。あまり参考にならない(笑)
柴:言ってみたいです、その言葉! 自由人ですね(笑)
早:歌のほうはこれからジャズのバンド作ろうかな……、と。今度バリ島でも歌うんですよ。今の目標は、ビル建てたいなっていうのがあって。地下はライブハウスで、1階飲食店やネイルサロン、上の階は住居みたいな。
柴:これまたさらっといいますね(笑)根拠はありませんが早川さんなら実現します(笑)
早:ありがとう(笑)自由すぎるでしょ?(笑) 
柴:はい(笑)
早:80歳まで生きるとしたら、もう少し忙しくしたいんですよね。だから年収3000万にしたいなって。人生は1回だからね。あとね、結婚しようと思ってる(笑)
柴:あれ? 
早:1度解散してます、4年前に(笑)
柴:解散(笑)そうだったんですね。相手はもうすでに?
早:それがいないんですよ。ただイメージはある(笑)
柴:こわいものなさそうですよね、早川さん。
早:ない(笑)
柴:ないってなかなかいえないですよ?(笑)
早:本当にないんだもん、いろいろ越えてきたしね(笑)
柴:さすがですわ(笑)早川さんすみません! あっという間にお時間となりました。
早:これで大丈夫? 参考になった?
柴:いやいや貴重なお話、ありがたかったです!! ただ……、すみません、参考にはならなかったです(笑)ぶっ飛びすぎてて(笑)
早:だから言ったでしょ? 参考にならないって……。私、ちょっと規格外なんで(笑)
柴:すみません(笑)
早:でも柴田さんはそのままでいいと思う。ただ誘われたらとりあえず受け入れるというか……、なんていうのかな、無理やり合わせるというんじゃなくて、スケジュール空いていたらとりあえずいくっていうか。空いてなかったらいいと思うの、それは縁がないものだから。あともう一つ、二十歳の私に、今の私が会ったらいろいろアドバイスすると思うんだけど、絶対聞いてくれないと思うのね。だから、なるべく聞く耳を持つのが大切だなって思うかな。
柴:よくよく胸に刻みます。今日は本当にありがとうございました。早川さんは楽しかったですか?
早:ええ、とても。また飲みましょう。なんでも喋りますよ(笑)
1 ネットワークビジネス(MLM〈マルチ・レベル・マーケティング〉・連鎖販売取引)
業者によって様々あるが、先に登録した者が後に登録した者の商品流通、あるいは役務提供の成果を受けるシステムが軸になっており、大々的な広告などを持たずに、親が子(アップがダウン)を増やしていくことによって商品流通を拡大していく商法。80年代から盛んになり、悪徳業者が強引な勧誘(絶対に儲かる、誰でも簡単に儲かる、MLMだということを隠しての勧誘、薬事法違反など)を行って問題になったため、法による規制が進んだ。現在はインターネットの普及により、情報収集が容易なため、会員数を減らしている会社も多い。大手企業の1つアムウェイも会員数を減らし続けている。しかし巨大広告会社、大手マスコミによる商品広告とは別のアプローチとして注目され、一部では熱狂的に支持される(ネットワークビジネスが宗教に近いのは、それほど会社の影響力が強いから。見山敏『図解ネットワークビジネス成功マニュアル―夢を実現させるための必携ツール』より)。また地道な商品開発、被災地への支援を積極的に行い、支持を得ている。ただし、安定した収入(経費込で月20万以上の収入)を得ることのできるのは会員数のうち0.5%(日本アムウェイ合同会社ホームページ2014年データより計算)にも満たない。柴田も参加を促されたが、今回はお断りした。〈参考 見山敏『図解ネットワークビジネス成功マニュアル―夢を実現させるための必携ツール』実業之日本社 マイク・カキハラ『ネットワークビジネス9つの罠(落とし穴)ハマる人、ハマらないで成功する人』ビジネス社 峰如之介『なぜアムウェイを選んだのか―自分のための働きかたを実現した人々』ダイヤモンド社〉

2 鈴木くん(鈴木考輔〈スズキコウスケ〉)
1986年7月生まれ。柴田曰く、文学的ハイパーメディアクリエイター。映画制作、CM制作、執筆活動、ライティング業、俳優業など、体育会系以外の文化的な殆どをマルチにこなすインテリジゴロ。また、『阿佐ヶ谷3349』の様々なディレクションにも携わり、多忙な毎日を送る。一定量の酒量を越えるとズボンを脱ぎだすが、前科は無し。笑顔がかわいいプリンシパルな原理主義者。29歳。元々柴田と立入禁止を企画、発案し、ライターとして関わるが、『加藤という男』のライティングを最後に本業多忙につき1年間沈黙。『立入禁止』に新たなライターが加入したことにより、アドバイザーという立場で関わることとなる。実は今回の早川玉美氏ゲストインタビューにも関わっているが、インタビュー時から1年経過、新ライター加入による立入禁止の新しい方向性、さらに、過去作品の大幅リライト等を敢行するにあたり、鈴木くんは写真のみとなる。一説によると、柴田は後に、「こうすけ!さすがに仕方ない!すまん!」という言葉を残している(笑)

3 カントリー&ウエスタン(Country and Western)
アメリカのポピュラー音楽の一種で、18世紀アメリカ開拓時代の人々の生活を哀歓をテーマに歌うところから始まった。フォークソング、ロカビリーやナッシュビルサウンドなど枝分かれし現在もアメリカ本国では絶大な人気を誇るジャンル。日本においては敗戦後の米軍キャンプでの演奏から本格的に入ってくるようになる。

4 スター誕生!
1971年から1983年まで放送された視聴者参加型の歌手オーディション番組。主な合格者は森昌子、山口百恵、岩崎宏美、ピンク・レディー、小泉今日子、中森明菜。主な落選者は徳永英明、本田美奈子。

5 横浜銀蝿(正式名称THE CRAZY RIDER 横浜銀蝿ROLLING SPECIAL)
リーゼントにサングラス、ライダースジャケット、白いドカンという「ツッパリ」「暴走族」といった1980年代前半の時代風潮に乗り若者の支持を集めたロックバンド。代表曲『ツッパリHigh School Rock 'n' Roll』。

6 ビリギャル
坪田信貴『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話』をもとに作られた有村架純主演の映画。

7 山口智子(Tomoko Yamaguchi) ロンバケ(ドラマ『ロングバケーション』の略)
1964年生まれの女優。代表作は木村拓哉と共演した恋愛ドラマ『ロングバケーション』。


8 ViVi
1983年講談社創刊の女性ファッション誌。主なターゲットは女子大生から若年OL。


9 オールディーズ(Oldies)
1950年代~1960年代にアメリカイギリスでヒットしたポピュラーミュージックの総称。日本においては1990年代中期からテレビドラマの主題歌として使われるなど、流行した。


10 グループ・サウンズ(Group Sounds 略称GS)
エレキギターなど電気楽器を取り入れたバンドサウンドを売りにした男性グループの総称。1960年代後半に日本で大流行した。代表グループは『ザ・スパイダース』『ザ・タイガース』。

11 パープルシャドウズ(Purple Shadows)
1968年結成のグループ・サウンズのバンド。代表曲『小さなスナック』。後にロス・インディオス&シルヴィアが『別れても好きな人』をカバーし大ヒット。

12 クリスマスシーズンにみんなでハワイ
ネットワークビジネス会社の多くが開催している招待旅行。あるレベルを達成すると無料で招待される。日本アムウェイ合同会社の場合資格保持者は全体の0.5%。〈参考Amway NCAホームページ〉

13 マクドナルドの噂
1971年銀座にマクドナルド第1号店がオープンした後の1977年以降の拡大時期に発生した都市伝説。ミミズ、ネコ、他にネズミの肉や牛の眼球という話もあった。インターネットのようなすぐに調べるものがない時代、都市伝説だけでなく、超常現象、怪奇現象などのオカルトブームがテレビ中心に煽られる傾向が90年代初頭まであった。
[中] 早川玉美(ハヤカワタマミ) 神奈川県横浜市出身
都内某音楽事務所にて歌手としての芸歴をスタート。米軍キャンプ、都内ライブハウスなどで精力的に音楽活動を行う。その後60年代グループ・サウンズの重鎮『パープル・シャドウズ』に加入。脱退後も、某有名テーマパークのディナーショー、全国イベントにて活躍中。29歳のときに本格的に始めたネットワークビジネスの成功者としての顔も持つ。
[右] 柴田修平(シバタシュウヘイ) 1986.6
原宿の某サロンにて下積み~スタイリストデビュー~トップスタイリストを経験。23歳の時、異例の店長に抜擢。その後、複数の店舗の運営管理を任され、赤字店舗を復活させる偉業を成し遂げる。2015年8月、『阿佐ヶ谷3349』代表に就任。カッコつけないカッコよさを現在模索中。知らないことを知らないと言える素直さを目標にし、『立入禁止(仮)』に参加。字が汚いがそんな自分は嫌いじゃない。真面目な優良社会不適合者。29歳。
text
伊豆味大作(イズミダイサク)
1982年、沖縄生まれ。埼玉育ち。阿佐ヶ谷在住。
『ヘアカタ。』女性モード社 ライティング参加。
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